ブレンド雑穀の未来

雑穀を手軽にブレンドした五穀や八穀、十六雑穀米などと呼ばれる豊富な品揃えで「ブレンド雑穀」が人気です。

健康食やダイエット食としての人気に加え味の広がりも魅力で、お粥やスープ、雑穀ラーメン、雑穀かつおふりかけやたまごふりかけ、雑穀せんべいに雑穀パンとメニューも豊富です。また、伝統食文化の魚醤と雑穀をブレンドした健康調味液も開発されています。

お肉やお魚専用、カレー専用やおふくろの卵焼きなどの用途に合わせた健康調味料などにも広がりをみせています。

いまや雑穀ブレンダーが活躍する時代ですから、雑穀を家庭で手軽に活用できることはとても嬉しい限りです。雑穀はコアなイメージがありましたが、古代の食生活のように雑穀が主流になれば健康で元気な暮しを取り返すことができるのではないでしょうか。

くまさん自然農園は、元気な食の発信基地でありたいと願っています。

夏のデトックス雑穀

新陳代謝の活発な夏は排毒の季節です。大量の汗と一緒に体の中の有毒成分や不要物質を流し出し、体の大掃除のために雑穀養生がおすすめです。毒素は脂肪に溜まるので脂肪を燃やして毒と一緒に排出するためには、食を控えて適度な運動が必要です。とはいっても出す一方では体が弱るので、雑穀の中でも栄養成分が豊富なアマランサスに注目です。

白米と比べて食物繊維は8倍、カルシウムは28倍、鉄分は50倍と優れた食品です。アミノ酸の吸収率抜群のリジンが豊富で、理想の雑穀として“神の穀物”ともいわれています。

アマランサスの特色は炊くと独特の強い香りがするので、生姜やナンプラーなど香りの強い野菜や調味料を使ってサラダやタイ料理に使うのも夏場の食欲を誘ってくれます。炊いても水分でふやけず、歯ごたえのあるプチプチ感は、まるでキャビアのようで和風パスタを引き立ててくれます。透明感のあるアマランサスは、新しい夏の食材です。

旅する雑穀たちの夢

雑穀の起源と伝播を研究する東京学芸大学の環境教育学・木俣美樹男教授が執筆された文献に「考古学の発掘調査によると、アワは中国の迎韶遺跡から7000年前、ドイツからは5000年前の種が発掘されています。キビは中国の跑馬嶺遺跡から4800年前、コーカシアでは8000年前、ポーランドやスイスでも5000年ほど前の種が発見されています。ユーラシアの新石器時代の主要食料となったアワとキビの起源の地は確実にはまだわかっていませんが、いったいどこなのでしょうか。」とあります。

木俣教授は、多くの先住民族が厳しい自然の下に、多様な雑穀に支えられて暮らしている人間が恋しくて、「雑穀」と総称される植物の原郷とその旅路を探る現代の旅に、見果てぬ夢を追い求めています。と、旅する種を回想されています。北秋田で「雑穀」を栽培する“くまさん自然農園”は、世界を永く旅してきた雑穀たちの終着地なのでしょうか。雑穀たちの悠久の旅にロマンを感じます。

「身土不二」の雑穀食

「身土不二」とは、古くからその土地と一体となって健康に暮らすという信念です。その土地の作物を食べ、その土地の環境になじみともに生きることです。人間の歩く速さは1時間に約4km程で、1日に16kmの四里四方の地域で季節の山野草や地野菜を食べ、四季の気候に適応する力をもらって健康に生きてきたのです。

アフリカ原住民も同様に土地の穀物や芋、豆を中心にした菜食で強靭な体力と健康を保っています。人間に一番近いゴリラは100%菜食ですから、どうやら人間も菜食が自然で当然雑穀が“主食”だったことは間違いありません。アフリカ大陸で120万年前に発掘されたヒトの化石は、臼歯が多く咀しゃく型のあごの動き、でんぷん分解酵素の活性が高い長い腸などの特性から、でんぷんを多く含む穀物と芋を中心とした菜食と推定されています。歩いて採りに行ける雑穀類や野菜で「身土不二」の生活をしていたのですね。

「古事記」と「日本書紀」の五穀

日本最古の歴史書「古事記」と「日本書紀」には、大地の女神が産んだ穀物母神の「五穀誕生の物語」が書かれています。

「古事記」では、神の目から稲が産まれ、耳からは粟、鼻からは小豆、陰からは麦、尻からは大豆が産まれたとあります。

「日本書紀」では、粟は額、ひえは目、稲は腹から、麦や大豆、小豆は陰から産れたと記され大地の女神は穀物や大豆の精霊となっています。五穀は生命の基本として守らなければならなかった主食だったのです。

稲は脳のエネルギー源で、粟は葉酸が脳の血行をよくしビタミンEが体の若さを保ち、ひえは肌の酸化を防ぐビタミンEが多く、麦はビタミンB類とアルギニンが豊富で、小豆は紫外線の害を防ぐアントシアニンと脳を活性化するビタミンB1、大豆サポニンが整腸効果を高めレシチンが脳力や記憶力をよくする効果があることを経済的に知り、五穀の栄養バランスが健康の素と確信してたのですね。

 

雑穀は“命の根源”の化身

雑穀を知る言葉に、“昔、畑に実る五穀をどれも「イネ」と呼び、古代語で「イ」は「いのち」の「イ」で、「ネ」は「根っこ」の「ネ」で、この二つの言葉をつなげて「イネ」と呼び、命の根源を表現した”といわれていました。

アワやヒエ、キビがひとくくりで雑穀と呼ばれていた時から今やそれぞれの植物栄養素の力が証明され、健康効果の研究が進んでいます。岩手大学・農学博士の西澤直行先生は、雑穀の効用について、キビたんぱく質には善玉コレステロールである血中の高度リポたんぱく質を顕著に高め、動脈硬化症を予防したり軽減化したり、肝臓障害を和らげる効果もあると語っておられます。

大地の生命力の結晶である雑穀たちの栄養バランスと質の良さが現代の栄養学の研究によって証明され、古代人が「イネ」と名づけて“命の根源”を意味した理由がよくわかりますね。

雑穀の教え

人類は400万年前にアフリカ大陸の東、今のエリトリアの地に生れたといわれています。

アフリカ原住民のほとんどは穀物、芋、豆を中心にした菜食で強靭な体力と健康を保っています。ケニアのマサイ族も食料の8割以上が菜食だそうですから驚きます。

アフリカ大陸は多様な穀物の発祥地と言われ人間に一番近いゴリラは100%菜食で、木々や草の新芽を摘み食べています。

人間の歩く速さは1時間およそ4kmで、一日の行動範囲は半径16km以内だそうです。

昔の人が「四里四方の食べ物を食べると健康になる」といった“身土不二”の考え方は、歴史が証明しています。

季節の旬の山野草や地野菜を食べて季節の気候に適応する力と雑穀の恵みをいただいて生きるのが理想的な暮しの基本だったのですね。日本でも昭和の初め頃まで、雑穀が主食だったことをもう一度振り返ってみる時なのかも知れませんね。

小さいから価値がある雑穀たち

雑穀には私たちの生命力を強化する秘めた、パワーが含まれています。

雑穀の多くは一粒が大体1mmから~2mmの大きさですが、その一粒、一粒に生命の源があり、発芽に必要な多種の栄養成分があり、遺伝子を守ろうとする赤や黄色い色素のポリフェノール・抗酸化成分や胚芽に多いビタミンEやB2などの豊富な栄養成分に恵まれているのが特徴です。

米一粒の五分の一程しかない雑穀たちを五粒くらい食べると、たくさんの抗酸化成分や生命活動に必要な栄養素をより多く摂取することができる理想的な健康食なのです。

今、アメリカでは雑穀愛好者は300万人を超えるといわれていますが、日本でも若い女性や自然食派の人々に雑穀がスーパーフードとして人気なのがよくわかります。

秋田・くまさん自然農園は、世界のスーパーフード・雑穀拠点として進化してまいります。ご期待ください。

「アワ」の原種はあの“ネコジャラシ”

雑穀を代表する「アワ」は、日本へは朝鮮を経てもっとも古く渡来し、縄文時代には栽培され「ヒエ」と並んでわが国最古の作物で、「イネ」伝来以前の主食だったようです。

「アワ」の原型は雑種の「エノコログサ」(俗名ネコジャラシ)と推定され、世界の熱帯および暖温帯に広く分布し、その起源地域を決めることは難しいのだそうです。

「アワ」や「ヒエ」などの雑穀は食物繊維が豊富で、よく噛んで食べるので少量でも満腹になり、糖分や塩分、脂肪分をはじめ栄養分の余分な吸収を防ぎ排泄を促すので体のバランスを整え、肥満を防いだり、血糖のコントロールを助けたり、善玉の腸内細菌を育てる働きもあり栄養調節や微生物保護など、その働きが注目されているスーパーフードです。

紀元前5000~4000年代の中国やユーラシア大陸の遺跡から「アワ」や「ヒエ」が出土していることから、大切な食糧だったことがよくわかります。

「ヒエ」の七変化を楽しむ

ヒエ(稗)は日本では古くから栽培されてきた代表的な雑穀です。地域的起源は東アジアといわれていますが最近の考古学では、ヒエは日本発祥の雑穀であるという見方が強まっています。縄文時代以前から日本全土で栽培され、特に山間部では昭和40年代まで主食の座を保っていたのです。

体の芯から温めて冷え性を治すヒエは、これからの季節に欠かせない優れた雑穀です。水の量の調節で多彩な炊きあがりの食感を楽しめます。3割増の水加減でクスクス風に、5割増しでふっくらしたヒエご飯、2倍の水でやわらかマッシュポテトのようなコクと風味が楽しめます。3倍でホワイトソース、8倍でヒエ粥、10倍から12倍で野菜と一緒に煮込むとクリーミーなシチューになります。白身魚のしんじょのような食感からニックネームがフィッシュミレットともいわれます。食のデザイナー、大谷ゆみこさんは、多彩なレシピからヒエの七変化が楽しい雑穀と語っています。