小さいから価値がある雑穀たち

雑穀には私たちの生命力を強化する秘めた、パワーが含まれています。

雑穀の多くは一粒が大体1mmから~2mmの大きさですが、その一粒、一粒に生命の源があり、発芽に必要な多種の栄養成分があり、遺伝子を守ろうとする赤や黄色い色素のポリフェノール・抗酸化成分や胚芽に多いビタミンEやB2などの豊富な栄養成分に恵まれているのが特徴です。

米一粒の五分の一程しかない雑穀たちを五粒くらい食べると、たくさんの抗酸化成分や生命活動に必要な栄養素をより多く摂取することができる理想的な健康食なのです。

今、アメリカでは雑穀愛好者は300万人を超えるといわれていますが、日本でも若い女性や自然食派の人々に雑穀がスーパーフードとして人気なのがよくわかります。

秋田・くまさん自然農園は、世界のスーパーフード・雑穀拠点として進化してまいります。ご期待ください。

「アワ」の原種はあの“ネコジャラシ”

雑穀を代表する「アワ」は、日本へは朝鮮を経てもっとも古く渡来し、縄文時代には栽培され「ヒエ」と並んでわが国最古の作物で、「イネ」伝来以前の主食だったようです。

「アワ」の原型は雑種の「エノコログサ」(俗名ネコジャラシ)と推定され、世界の熱帯および暖温帯に広く分布し、その起源地域を決めることは難しいのだそうです。

「アワ」や「ヒエ」などの雑穀は食物繊維が豊富で、よく噛んで食べるので少量でも満腹になり、糖分や塩分、脂肪分をはじめ栄養分の余分な吸収を防ぎ排泄を促すので体のバランスを整え、肥満を防いだり、血糖のコントロールを助けたり、善玉の腸内細菌を育てる働きもあり栄養調節や微生物保護など、その働きが注目されているスーパーフードです。

紀元前5000~4000年代の中国やユーラシア大陸の遺跡から「アワ」や「ヒエ」が出土していることから、大切な食糧だったことがよくわかります。

「ヒエ」の七変化を楽しむ

ヒエ(稗)は日本では古くから栽培されてきた代表的な雑穀です。地域的起源は東アジアといわれていますが最近の考古学では、ヒエは日本発祥の雑穀であるという見方が強まっています。縄文時代以前から日本全土で栽培され、特に山間部では昭和40年代まで主食の座を保っていたのです。

体の芯から温めて冷え性を治すヒエは、これからの季節に欠かせない優れた雑穀です。水の量の調節で多彩な炊きあがりの食感を楽しめます。3割増の水加減でクスクス風に、5割増しでふっくらしたヒエご飯、2倍の水でやわらかマッシュポテトのようなコクと風味が楽しめます。3倍でホワイトソース、8倍でヒエ粥、10倍から12倍で野菜と一緒に煮込むとクリーミーなシチューになります。白身魚のしんじょのような食感からニックネームがフィッシュミレットともいわれます。食のデザイナー、大谷ゆみこさんは、多彩なレシピからヒエの七変化が楽しい雑穀と語っています。

「キビ」は生命の源の食

黍(キビ)は古い雑穀の一つで、中国北部とヨーロッパでは新石器時代の遺跡で出土しています。日本へは米、麦、アワ、ヒエよりもだいぶ遅れて伝来したと考えられています。

キビの名前が文献に登場するのは「万葉集」で、平安時代の「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)」にも載っています。日本の有史以前の古代文献「カタカムナ」では「き」は発生を意味し、「ひ」は生命の根源を表すと書かれています。キビが主食だった時代もあり、おとぎ話「桃太郎」では“きび団子”は力餅として描かれています。キビの語源は実の色の黄実(キミ)がキビになったともいわれています。

キビは日本では伝統的なハレ食の餅や団子に加工されてきましたが現在では、健康食の一翼を担う雑穀となっています。

食べ方もバラエティに富んでいて、好みの野菜と炒め合わせたスクランブルキビやオムレツも作れます。いろいろのトッピングで炊き上げるキビ飯も人気のレシピです。

スーパーフード、チアシードの栽培に挑戦!

アメリカのセレブの間で大ブレークのスーパーフード、チアシードを“くまさん自然農園”が栽培に挑戦しています。主にメキシコなど中南米で栽培される、シソ科サルビア属ミントの種です。古代マヤ帝国では戦士は大さじ一杯のチアシードだけで戦えるとまで言われています。現代ではアンジェリーナ・ジョリーやスーパーモデルのジェニファー・ホーキンスが御用達のスーパーフードです。チアシードは、抗酸化作用に優れ特にオメガ3脂肪酸(α―リノレン酸)の含有量が多く豊富なミネラル、18種類のアミノ酸と植物栄養素の宝庫です。チアシードは水に浸すと10倍にふくらみゼリー状になるため、ジュースやヨーグルト、スムージーやプリン、ジャムにまぜたりして手軽に健康レシピが作れます。

美容や健康ドリンクとしてブレークしているチアシードが国産として入手でれば嬉しい限りですね。ご期待ください。

雑穀の優等生は“ハトムギ”

雑穀のなかでも大粒の「ハトムギ」は、イネ科ジュズダマ属ですが、唐麦、朝鮮麦、ヨクイや収量の多さから四石麦などとも呼ばれています。祖先は、ジュズダマで殻の固い実を利用して数珠にすることからこの名前が付いたともいわれています。

植物栄養学の進んだ近年、ハトムギの豊富なビタミンB2やアミノ酸バランスの良いところから“体の中の水分や血液の代謝を促す”作用が注目され、胃腸を整え、腎臓の働きを高め、シミ、ソバカス等の肌荒れの改善にも良いことがわかり、女性に人気の雑穀です。

ハトムギの栽培はヒマラヤ地方が最も古く、インドや東南アジア、中国南部を経て日本には江戸中期に伝わったと言われています。古くは奈良時代に鑑真和上が伝えたという説や、1500年代に加藤清正が朝鮮半島から「朝鮮麦」として持ち帰ったとか諸説あります。「ハトムギ」と呼ばれたのは明治時代で“鳩が好んで食べる”とか、これまた諸説あります。

アマランサスは、神か邪神の穀物か。

1980年代、アメリカでは「アマランサス」の栄養価に注目し「スーパーグレイン」の別名が与えられていました。

アマランサスの歴史は古く、紀元前5,000年頃のメキシコ・テワカン渓谷の遺跡から、アマランサスの炭化した大量の種子が見つかっています。

14世紀のアステカ帝国では年貢として皇帝に納めていたといわれ、古代アステカやインカ帝国(1200年頃~1533年)では重要な主食であり、神への供物でした。16世紀にスペインに征服されアマランサスが宗教行事と密接に結びついた作物として、キリスト教布教の障害になると考え「邪神の穀物」として栽培が禁止され、代わりに小麦が持ち込まれアマランサスの栽培が減ったといわれています。日本には、江戸時代にヒマラヤ山麓やインド南部から伝来したそうですが、東北地方で栽培され、仙人が食べる穀物として「仙人穀」と呼ばれていました。

秋田の「G・Bビジネス」

秋田県の「元気村G・Bビジネス」が話題です。Gは、じっちゃん、Bは、ばっちゃんの頭文字で、山で摘んだ山菜やキノコを産直販売や加工販売する事業です。2010年から始まり、年々出荷額が伸びています。
G・Bビジネスの先駆者は、高知県上勝町の“葉っぱビジネス”が有名ですが、刺身のつまものや料理のいろどりを出荷し老人ホームのいらないまちとして地方再生のモデルとなっています。秋田のG・Bビジネスは4誌1町1村の地域でつくる「元気ムラ集落ネットワーク」で取り組み、臨時直売所を設けたり首都圏のスーパーに出荷したり、加工品を作り販路を広げています。関東のスーパーでは天然の旬の山菜は珍しく、自然の香りも高く質も良く新鮮で天ぷらに適した春の山菜はシニア層などにも人気です。
自然に囲まれた「くまさん自然農園」も、山菜やキノコの宝庫です。どうか、お出かけください。

比内地鶏のブランド化

96年、人気グルメ漫画「美味しんぼ」が“恋のキリタンポ”と題して連続で比内地鶏を取り上げた頃から全国にその名が広がり始めました。といっても比内地鶏は鍋料理のだしや具材で、いってみれば“脇役” でした。

その頃、東京では薩摩鶏や名古屋コーチンなどの鶏がブランド化され高級焼き鳥として売られておりましたが、最少種の比内地鶏も焼き鳥の仲間入りをし今の全国的な人気ブランドの鶏となったのです。
勿論、比内地方原産のシャモ系地鶏は昭和17年に国の天然記念物に指定されていますので、秋田県畜産試験所の努力によって一代交雑種「比内地鶏」を生み出し、キジや山鳥に似た脂がきめ細かいかみしめるほどうまみと風味と香気がでる美味しい比内地鶏として、キリタンポの具材から一躍高級焼き鳥として人気のブランドとなったのです。

放し飼いでついばむ比内地方の土質や秋田の風土が生み出す味なのです。

「穀雨」の恵み

3月中旬から4月にかけて降る雨を二十四節気で「穀雨」といいますが、この少し暖かい雨に田畑の作物が育ち、野山の木の芽が緑を増していく時節のことです。
「雨が降って百穀を潤す」の意から「穀雨」と呼ばれ、五穀豊穣をもたらす恵みの雨にちがいありません。
「穀風」という言葉は、万物を成長させる風のことで、東(こち)や谷風ともいわれています。また「穀日」とは、穀物のとれる恵みの日から“良い日・めでたい日”のことを指します。「穀旦」は元旦の旦で“よい朝の始まり”の意だそうです。
「雑穀」の穀は、からをかぶった“もみ”の意を表す字で、その意から広く穀物の意に用いられています。「穀」のつく文字に限りなく恵みを感じますが、この頃北秋田には桜前線で賑います。イギリスでは「3月の風と4月の雨が美しい5月を生む」という諺があります。雨もまた風情ですね。