「キビ」は生命の源の食

黍(キビ)は古い雑穀の一つで、中国北部とヨーロッパでは新石器時代の遺跡で出土しています。日本へは米、麦、アワ、ヒエよりもだいぶ遅れて伝来したと考えられています。

キビの名前が文献に登場するのは「万葉集」で、平安時代の「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)」にも載っています。日本の有史以前の古代文献「カタカムナ」では「き」は発生を意味し、「ひ」は生命の根源を表すと書かれています。キビが主食だった時代もあり、おとぎ話「桃太郎」では“きび団子”は力餅として描かれています。キビの語源は実の色の黄実(キミ)がキビになったともいわれています。

キビは日本では伝統的なハレ食の餅や団子に加工されてきましたが現在では、健康食の一翼を担う雑穀となっています。

食べ方もバラエティに富んでいて、好みの野菜と炒め合わせたスクランブルキビやオムレツも作れます。いろいろのトッピングで炊き上げるキビ飯も人気のレシピです。