「ヒエ」の七変化を楽しむ

ヒエ(稗)は日本では古くから栽培されてきた代表的な雑穀です。地域的起源は東アジアといわれていますが最近の考古学では、ヒエは日本発祥の雑穀であるという見方が強まっています。縄文時代以前から日本全土で栽培され、特に山間部では昭和40年代まで主食の座を保っていたのです。

体の芯から温めて冷え性を治すヒエは、これからの季節に欠かせない優れた雑穀です。水の量の調節で多彩な炊きあがりの食感を楽しめます。3割増の水加減でクスクス風に、5割増しでふっくらしたヒエご飯、2倍の水でやわらかマッシュポテトのようなコクと風味が楽しめます。3倍でホワイトソース、8倍でヒエ粥、10倍から12倍で野菜と一緒に煮込むとクリーミーなシチューになります。白身魚のしんじょのような食感からニックネームがフィッシュミレットともいわれます。食のデザイナー、大谷ゆみこさんは、多彩なレシピからヒエの七変化が楽しい雑穀と語っています。