「身土不二」の雑穀食

「身土不二」とは、古くからその土地と一体となって健康に暮らすという信念です。その土地の作物を食べ、その土地の環境になじみともに生きることです。人間の歩く速さは1時間に約4km程で、1日に16kmの四里四方の地域で季節の山野草や地野菜を食べ、四季の気候に適応する力をもらって健康に生きてきたのです。

アフリカ原住民も同様に土地の穀物や芋、豆を中心にした菜食で強靭な体力と健康を保っています。人間に一番近いゴリラは100%菜食ですから、どうやら人間も菜食が自然で当然雑穀が“主食”だったことは間違いありません。アフリカ大陸で120万年前に発掘されたヒトの化石は、臼歯が多く咀しゃく型のあごの動き、でんぷん分解酵素の活性が高い長い腸などの特性から、でんぷんを多く含む穀物と芋を中心とした菜食と推定されています。歩いて採りに行ける雑穀類や野菜で「身土不二」の生活をしていたのですね。