「穀雨」の恵み

3月中旬から4月にかけて降る雨を二十四節気で「穀雨」といいますが、この少し暖かい雨に田畑の作物が育ち、野山の木の芽が緑を増していく時節のことです。
「雨が降って百穀を潤す」の意から「穀雨」と呼ばれ、五穀豊穣をもたらす恵みの雨にちがいありません。
「穀風」という言葉は、万物を成長させる風のことで、東(こち)や谷風ともいわれています。また「穀日」とは、穀物のとれる恵みの日から“良い日・めでたい日”のことを指します。「穀旦」は元旦の旦で“よい朝の始まり”の意だそうです。
「雑穀」の穀は、からをかぶった“もみ”の意を表す字で、その意から広く穀物の意に用いられています。「穀」のつく文字に限りなく恵みを感じますが、この頃北秋田には桜前線で賑います。イギリスでは「3月の風と4月の雨が美しい5月を生む」という諺があります。雨もまた風情ですね。