東北から沖縄に旅する雑穀たちのロマン

「2500年ほど前の東北の縄文土器が沖縄県の北谷(ちゃたん)町で発見された。」
北と南を結ぶ先史時代の壮大な人と物の交流を示すニュースが発表されました。出土品の土器は、縄文晩期後半を中心に北海道南部から青森、秋田、岩手などで花開いた亀ヶ岡文化の土器片で台付きの浅鉢らしいとのことで、表面には「エ」の字に似た模様がうねうねと走り、赤い顔料もうっすらと残っているそうです。鮮やかな漆器や宇宙人のような「遮光器土偶」で有名な亀ヶ岡文化の土器が西日本に伝播し九州にまでたどれていましたが、これで本州北端の文化が列島最南端の島々まで南下したわけです。専門家は「3千年ほど前に人や物の交流が盛んだったことを示す発見」だと評価しています。東北では沖縄周辺の海で採れるイモガイを模したとみられる土製品も広がっており、土器とともに北秋田のヒエやアワなどの雑穀たちも運ばれたと思うと、旅する雑穀たちのロマンを感じますね